リコリス・リコイルはトップガンマーベリックだった(リコリコネタバレ無し感想)

 

頭の悪そうなタイトルなのはさておき、リコリス・リコイルを見る前にトップガンマーベリックを観ておいてよかったなというお話です。

 

リコリス・リコイルはオリジナルアニメであったが、キャラデザインの良さ、秘密組織のエージェントであるという設定、ガンアクションへの期待と好みの要素が詰まっており、放映前に見る事を幸いにも自分の中で決めていた。

1話は少女のインパクトのある機銃掃射から始まり、アクション描写の期待のハードルを軽々と越えていった事から内心ガッツポーズを決めていた事を覚えている。

その後も千束とたきなの格好良さ・可愛さ・関係性の良さを尺いっぱい描写し続け、自分の期待に毎回存分に応え続けてくれながら昨日の最高の最終話に至る。

一方で最終話までついぞ補足や説明が薄く、正直粗だらけだったのが技術や設定、細かい世界観の話である。

粗の中身については多過ぎるので割愛するが、ではリコリコがその分マイナスされて面白さが減っていたのかと言えば、大声でNoと叫べる。

 

さて、ここで出てくるのがトップガンマーベリックである。この作品は2022年公開済で主演トム・クルーズ、前作人気だったトップガンの続編という事で世界的ヒットを記録している。

未視聴勢の為に簡単にあらすじを言うと、前作トップガンでエースとして活躍したトム・クルーズ役する戦闘機のパイロットが本作では某国兵器基地破壊の為のミッションに急遽教官役として若きパイロットに対して鞭を取ることになって、という話である。

この作品だが主役の身の回り以外の世界観描写がほぼ無かった。敵国の人間は名前が出るレベルでは出てこないし、ミッションを何の為に行うのかと言えば、早く基地を攻撃しないと兵器が完成してしまうから、程度のものだった。

ではこの作品はつまらなかったのかと言えば世間の人気は裏切らずそんな事は無かった。主役の格好良さ、目を見張るアクションと演出の派手さ、尖ってはいなくとも王道で緩急のついた構成を2時間超みっちりと、世界観の粗なんて吹き飛んでしまう密度で見せつけられ、こんな横暴な魅せ方があるのかと驚嘆した。

そう、作品としての魅せ方がリコリス・リコイルのそれと同じだったのだ。(順番は前後しているけれど)

自分がリコリコをここまで楽しめたのはこのトップガンマーベリックを事前に観て、世界観の粗なんて気にせず、演出に目一杯集中して観ても良い、という見方を持っていたからという部分はとても大きかった。この見方の御蔭で千束の可愛さ、たきなの表情の変化、ガンアクションシーンの格好良さ、名脇役達との関係性に存分に集中し、楽しむ事が出来たように思う。

 

さて、ここまで文章を読んでくれた奇特な人にはリコリコを細かい所を気にせず、キャラクター達の動きに集中して、是非改めて観て欲しいと思う。多分気付かなかった良い所が各々見つかるはずだ。

最後に、喫茶店リコリス・リコイルのメンバーの魅力を描ききったスタッフに感謝と、賛辞と、それからもう少しの期待を。